民泊サイトAribnbで7月繁忙期の空き物件状況を「東京都内、2016年7月1日から2016年7月31日、宿泊人数1人」で検索したところ、空き物件は全体の15%しかありませんでした。(2016年5月末時点)
繁忙期であれば、需要が増えるので集客に困ることはありません。では、閑散期はどうでしょうか?
稼働率は、宿泊施設を経営する上で注目すべきKPIの一つです。閑散期でも稼働率を上げるには、利用者の満足度を高める努力が必要です。
このページでは、Airbnbに掲載されている人気物件を検索し、ゲスト(訪日外国人)が支持する要素をまとめました。これから民泊を始めたい方、民泊をすでに運営しているが、集客でお困りの方に役立つ情報です。
訪日外国人の需要 選ばれる民泊部屋
先に結論を述べると、清潔感ある寝室や水回り、必要最低限のアメニティグッズやインテリアで、居心地良さを演出することが重要です。
利用者の声は、今後の予約を左右する重要な要素になります。利用者の満足度を上げるために、何が必要か理解しておくことが重要です。
訪日外国人が増える時期
訪日外国人は年々増加しています。2014年と2015年を比較すると、訪日外国人の増加率は前年比で147%となっています。

日本政府観光局(JNTO)作成の統計データによると、訪日外国人が増える時期は7月であることが傾向(2013年〜2015年の推移)から読み取れます。
前年同月比で見た場合、増加率1位が8月で164% 2位は2月158% 3位は7月で151%という結果でした。
一方、閑散期は1月です。2014年と2015年の比較でも129%の増加率に止まっています。
ホテルや旅館も空室が減り、民泊施設も不足する需要が高まる繁忙期は、まず宿泊施設を確保することが利用者にとって重要です。一方、閑散期は利用者が数多くある宿泊施設から最も評判の良い物件を探す余裕が生まれます。
Airbnbで評価の高い民泊施設
では、訪日外国人(ゲスト)は、どのような視点で宿泊に評価するのでしょうか?
人気となる要素を分析するため、Aribnbに掲載されている物件を確認し、傾向を分析したいと思います。
Aribnbで2016年7月1日から2016年7月31日に東京で宿泊が可能で、かつスーパーホストに認定されているホストを物件を検索しました。
検索結果(2016年5月29日時点)でゲストのコメント数上位5件が下記物件です。
Free Pocket Wi-Fi + Plum Apartment

- 木目の壁と間接照明が和風を演出しています。
- キッチンの正面には二人掛けのカンターがあり食事をとることも可能です。
- 必要最低限のものがコンパクトに配置されており清潔感が伝わります。
- 居心地がよく清潔感のある部屋。また利用したい。
- 駅から徒歩5分と近く便利。しかも騒音がない。
- ホストからウエルカムジュースとフルーツの提供があり、とてもフレンドリー。
Factory Roof-Top! +Portable Wi-Fi

掲載写真からの印象
- 木目の壁や天井、間接照明が和風を感じさせます。
- 寝室から広いバルコニーにつながっており開放感があります。
- 寝室には二人掛けの長机があり観光スポットを調べるのに便利そうです。
利用者の声まとめ
- バルコニーからの景観が素晴らしい。
- 宿泊施設のすぐそばに飲食店やコンビニがあるの良い。
- 宿泊期間中、清潔なタオルに交換しハウスキーピングしてくた。
Free Portable Wi-Fi + Curry-House

掲載写真からの印象
- 畳に襖の内装が日本の部屋を感じさせます。
- 和室だけなく、ソファーもありゆったりできる広さが確保されています。
- 寝室のベットは十分な厚みがある。
利用者の声まとめ
- 空港から乗り換えなしで着くことができる。
- 本当に自宅のような感覚でゆっくりできる。
- ホストが準備した観光リストとても役立った。
Free Pocket Wi-Fi + Pine Apartment

掲載写真からの印象
- 外観は普通の二階建住宅だが、内装は美しい木目の壁とフローリングで和風テイスト。
- 北斎の絵やすだれのインテリアに加え観葉植物がアクセントになっている。
- 必要最低限の物しかないので整理整頓された印象がある。
利用者の声まとめ
- 地下鉄から近く近所のレストランも素晴らしい。
- ホストが親切で流暢な英語を話します。
- リアルな東京を経験したいなら強くおすすめします。
Old Japanese Style House

掲載写真からの印象
- 昭和の雰囲気が漂う家屋だが可愛い暖簾とwelcomeボードが玄関にあり好印象。
- 庭付きの民泊で1階リビング窓を開けると開放感がある。
- 日本の住宅らしい畳の部屋。
利用者の声まとめ
- 居心地が良い家で、清潔感がある。
- こたつなど日本らしいアメニティを楽しむことができる。
- チェックアウトの日が雨でしたが駅まで車で送ってくれた。
まとめ 評価の高い民泊に必要な5つの要素
Aribnbからゲストの声を読み込むと、総じて次の傾向が見えてきます。
- 清潔感のある室内は評価が高い
- 自宅のような感覚を味わえる居心地良さが好まれる
- 駅から近い物件が評価される
- 多少都心部から離れていても交通の便が良ければ問題はない
- ホストの対応はやはり重要
前述のAribnb人気物件は、ふすまや畳部屋もありながら、椅子やソファもしっかり整え、過度なインテリアを配置せずに、ポイントを絞り込んで日本らしさを多少感じる雰囲気です。
訪日外国人の多くは、神社を始めとする歴史のある建造物や日本文化に触れることを楽しみますが、観光から部屋に戻れば、日本らしさよりも「自宅のような心地よさ」や「清潔感」を求めているように感じます。
民泊を運営されているホストの方は、フレンドリーな対応を心がけている様子ですが、ゲストからの要求がなければ、過度の干渉はされていない様子もうかがえました。
物件の立地については、やはり駅から近いところが評価されるのは間違いないでしょう。民泊周辺にあるコンビニやレストランなどの案内は喜ばれるようです。

宿泊料金の設定は、宿泊施設周辺の稼働率や宿泊料金相場を見ながら行うと機械ロスを減らすことにつながります。
合同会社はりうすが運営するAirbDatabankは、Airbnbのデータを統計的に処理し、地域ごとの稼働状況や宿泊料金の相場を無償で公開中しています。
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AirbDatabankサイト: http://airbdatabank.xyz/